1. パラボリック(Parabolic SAR)とは

Parabolic SAR(Stop And Reverse)は、トレンドの方向売買の転換点(ドテンの目安)を同時に示すテクニカル指標です。

  • 価格チャート上に
    点(・)が放物線状(パラボラ) に表示される

  • トレンドが続くほど、価格に近づいてくる

  • 主に

    • トレンドフォロー

    • 利確・損切りの判断
      に使われます


2. 計算式(ロジック)

基本式

parabolic sar 01

各要素の意味

項目内容
SAR パラボリックSARの値
AF 加速因子(Acceleration Factor)
EP 極値(Extreme Point)
n 現在の足

EP(Extreme Point:極値)

  • 上昇トレンド中:直近の最高値

  • 下降トレンド中:直近の最安値


AF(加速因子)

  • 初期値:0.02

  • 新しい高値(安値)を更新するたびに
    +0.02

  • 上限:0.20(一般的設定)

👉 トレンドが続くほど
SARが価格に急接近 → 転換に敏感になる


3. チャート上での見方

上昇トレンド

  • SAR(点)が ローソク足の下

  • 押し目・トレンド継続を示唆

下降トレンド

  • SAR(点)が ローソク足の上

  • 戻り売り・トレンド継続を示唆


4. 売買タイミング(基本ルール)

① 買いシグナル

  • SARが
    ローソク足の上 → 下へ切り替わる

  • = 下降 → 上昇トレンド転換

買いエントリー
 直前までのSARが 損切りライン


② 売りシグナル

  • SARが
    ローソク足の下 → 上へ切り替わる

  • = 上昇 → 下降トレンド転換

売りエントリー
 直前までのSARが 損切りライン


③ ドテン(Stop And Reverse)

  • SARに価格が到達した時点で
    ポジションを決済 → 反対売買

  • 名前の由来そのもの


5. 実践的な使い方(重要)

① トレンド相場向き

 強い上昇・下降相場
 株式・FX・先物・暗号資産すべて対応


② レンジ相場では弱い

 横ばい相場では

  • ダマシが多発

  • 売買が頻繁になりやすい

👉 移動平均やADXと併用が定番


6. 他指標との組み合わせ例

移動平均 + パラボリック

  • MAでトレンド判断

  • SARでエントリー・利確

ADX + パラボリック

  • ADXが高いときのみSARを使う

  • トレンドの強さをフィルター


7. パラメータ調整の考え方

設定特徴
AF小さめ ダマシ減るが反応遅い
AF大きめ 反応速いがダマシ増加
短期売買 AFや上限をやや大きく
中長期 標準設定(0.02 / 0.20)

8. まとめ

パラボリックSARの本質

  •  トレンドフォロー型指標

  •  利確・損切りラインが明確

  •  計算は単純だが考え方は強力

  •  レンジ相場は苦手

👉
トレンドが出ているか?」を他指標で確認し、
出口戦略として使うのが最も安定します。



では、実際のチャートを想定した具体例で、
パラボリックSARが「どこで・なぜ」売買判断になるのかを解説します。

① 上昇トレンドの実例(買い → 利確)

想定チャート

  • 時間軸:日足

  • 銘柄:株・FX・暗号資産いずれでも同じ考え方

  • 補助指標:なし(まずはSAR単体)


【ステップ1】下降トレンド終了

価格:  ↓ ↓ ↓
SAR:  ● ● ● (ローソク足の上)
  • SARがローソク足の

  • 明確な下降トレンド


【ステップ2】転換シグナル(買い)

価格:   ↑(陽線)
SAR: ● → ○(足の下へ移動)

重要ポイント

  • SARが
    足の上 → 下へ切り替わった

  • = Parabolic SARの買いシグナル

👉 この足の確定で
買いエントリー


【ステップ3】トレンド継続中

価格: ↑ ↑ ↑ ↑
SAR: ○ ○ ○(徐々に価格へ接近)
  • トレンドが続くほど

    • EP(最高値)が更新

    • AFが増加

  • SARが放物線状に価格へ近づく

 この間は
ポジション保有継続


【ステップ4】利確(またはドテン)

価格: ↓(陰線)
SAR: ○ → ●(足の上へ)
  • ローソク足がSARに接触 or 下抜け

  • SARが再び足の上へ

👉

  • 買いポジション決済(利確)

  • 短期売買なら 売りドテン


② 下降トレンドの実例(売り)

上記の完全な逆です。


【売りエントリー】

価格:   ↓
SAR: ○ → ●(足の上)
  • SARが
    足の下 → 上へ

  • 売りシグナル


【保有中】

価格: ↓ ↓ ↓
SAR: ● ● ●(価格に接近)
  • SARが
    ストップロスライン

  • 含み益が伸びるほど損切り位置も有利に


【決済】

価格: ↑
SAR: ● → ○
  • 価格がSARを上抜け

  • 売り決済


③ レンジ相場での「失敗例」

想定チャート(横ばい)

価格: ↕ ↕ ↕
SAR: ● ○ ● ○

 問題点

  • SARが頻繁に上下入れ替わる

  • エントリー回数が増える

  • 小さな損切りが連続

👉
トレンドがない相場では使わない


④ 実戦向きの改善例(王道)

移動平均と併用

ルール例

  1. 200MAより上 → 買いのみSAR採用

  2. 200MAより下 → 売りのみSAR採用

価格: ↑(200MA上)
SAR: ○ → 買いのみ

👉 ダマシ激減


⑤ SARの「本当の使いどころ」

初心者がやりがち:

SAR = エントリー指標

実際に強い使い方:

SAR = 利確・損切り専用指標

理由

  • トレンド転換点に機械的

  • 感情を排除できる

  • トレーリングストップとして優秀


⑥ まとめ(チャートでの判断フロー)

  1. 今はトレンド相場か?

  2. SARは足の上か下か?

  3. 切り替わったか?

  4. 触れたら決済(迷わない)


もし次に進むならおすすめは👇

  • 実際の株 or FXの過去チャートを使った検証

  • 勝率が高い時間足(例:日足 vs 5分足)

  • RSI・ADXと組み合わせた完成形ルール

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